立山黒部アルペンルート 黒部の太陽の旅

桜餅

 

すっかり初冬を迎えました。皆様、季節の変わり目変わりなくお過ごしでしょうか。

 

2018/08/19 のお矢来すずめ様の 「白馬岳絶唱・・快晴の山旅」に関連して、今夏のお話し

をさせて頂きます。 

すずめ様は初夏の北アルプスの旅。
私は期せずして少し遅れた盛夏に同じ北アルプスに参っておりました。
≪本格登山≫のすずめ様のレポートに続きまして、≪殆ど散歩の≫違った北アルプスを紹介させて頂ければと思います。

 

北アルプスはイメージの通り3000メートル級の急峻な山が連なっており、登山を楽しむには十分な体力、経験、準備が必要です。
しかし、同じ北アルプスに「立山黒部アルペンルート」というコースがあり、2450メートル標高まで公共の乗り物に乗っていればたどり着き、乗り物から降りて高地を気軽に散策できる登山素人にも安全、有難いコースがあります。
今回私はこちらのコースで散策を楽しみました。(マナーとしての装備はHPで確認でき、基本手持ちの服装で可能です。)

 

北アルプスには、歌手の野口五郎さんの命名由来になった山、「野口五郎岳」もあるんですよ。岩がゴローゴローしている野口村が由来です。大志を抱かれ、すっかり本家の野口五郎よりも有名になられたという事のようです。


1日目

立山黒部アルペンルートは、富山県の立山から黒部ダムをバスやケーブルカーなどの交通機関で結び最高標高2450メートル(室堂)まで、乗り物で行けるコースとなります。
黒部ダムはご存知の方も多いかと思いますが、関電が関西地方の電力不足を補うために社運をかけて高標高の危険な雪山に作ったダムでその過酷さは多くのドキュメンタリーや映画になっています。何人もの殉職者をだしながらダムを造った昭和初期の男たちのドラマは、涙なしでは見られません。
昭和の大スター、石原裕次郎の「黒部の太陽」をご覧になった方もいるでしょうか。


立山駅を出発しルート最高標高の室堂で、途中下車。みくりが池という池があり、池の側には雪が解けずに万年残っています。あたり一面、低木のハイマツが茂っています。登山者は動植物を保護するためにロープを張った内側の歩道を歩くようになります。
雷鳥は保護色で日中は活動せずほとんど飛ばない鳥のために素人がすぐに見つけるのはかなり難しいそうですが、歩道に人が立ち止まって群れているならそれは殆ど雷鳥を遠方に見つけて観察していると教えて頂きました。
その教えに従い人の群れで立ち止まると、親切な方が雷鳥の居場所を小声で教えてくれます。



日程に余裕があれば室堂の山小屋に宿泊して、日本一標高の高い天然温泉の、みくりが池温泉で入湯されると最高です。
みくりが池温泉は、近くの火山性ガスと硫黄の煙立ち込める地獄谷の (地獄谷は火山性ガスが立ち上っている為進入禁止でした。)地下から湧き出す天然温泉で、白く濁って加温加水なし、温泉好きの方にはおすすめの本物の本格温泉です。


暫く散歩して標高2400メートルの下界とは異なる高山の景色を楽しんだ後、乗り物にのって黒部ダムへ。ダムの大放水は圧巻でした。
関西電力の資料館で黒部ダム建設のドキュメンタリーを見て、涙。殉職者の慰霊碑があり、手を合わせました。
高い山の崖の道なき道板切れ一枚の上を、人海戦術で物資を運搬する様子は、見ているだけで背筋が凍ります。

 

黒部ダムからは黒部渓谷に抜ける道はありませんので、立山駅に戻って宇奈月温泉へ。


2日目

 

宇奈月駅から、窓のないトロッコ列車に乗車。折々の万年雪や、急流黒部川を眺めながらの涼しい旅。石鎚起源の川は澄んだブルーですが、こちらの川はヒスイのようなグリーンに見えました。
トロッコ列車終点の欅平駅から足を延ばして、猿飛峡へ。余りの急流は恐ろしいほどですが、心洗われる美しい景色でした。



標高850メートルのポイントから、白馬方面の景色です。

写真の中央の岩肌が見えているところがあります。この辺りは切り立った山が多く、この岩肌が見えている箇所で岐阜県警(岐阜と聞いた気がするのですが、どちらかの県警)が、山岳の救助の練習で岩肌にロープを張ってトレーニングをする光景が時々みられるとのこと。
実際に見ると恐ろしく急こう配で、実際の救助に出動なさるであろう県警の方の無事を祈らずにはいられませんでした。



私としては穏やかな瀬戸内気候での暮らしが好きですが、富山は愛媛に似た穏やかで温かい県民性、澄んだ雪解け水で作った美味しい米、日本海の豊富な魚貝も魅力です。

市井の回転寿司でも大変美味しく、名所も多い素晴らしいところで、良い旅となりました。

コメント: 9
  • #9

    桜餅 (土曜日, 10 11月 2018 00:36)

    すずめ様の16年前とは思えない詳細な雪の壁のレポート、ありがとうございました。その当時はまだ、アルペンルートは全面開通していなかったのですね。
    大谷地区の雪の大谷と呼ばれる雪壁を歩くために人が多く訪れるそうですが、あのような高所の白馬や北岳に果敢にトライなさるすずめ様が絶好の機会なのに下車して歩かれず、車中から一刻も早く通り過ぎることを念じられていたとは! 人はどなたも意外な一面がおありです。


    のたり様、主に銀でできた粘土で簡単にできるシルバークレイアクセサリーというものがあること、こちらの読者の方から教えて頂きました。作品も見せて頂いたのですが、本物の立派なアクセサリーで驚きました。近年の新しい技術はすごいです。
    いくつになっても、知らないこと、新しいことがたくさんです。
    広島道前会の先輩方のように元気で長生きして、色々見聞きできるとよいのですが。

  • #8

    ひねもす・のたり (金曜日, 09 11月 2018 20:46)

    こんばんは。
    皆様のこの約一週間のコメントのやり取りを読み返してると
    何と面白い!
    この年になりながら初めて知る事・聞く事が多くまさに「知識の宝庫」。

    ひみこさんブログで「ハーモニカの四重奏」を初めて知り
    さくらさんの話で「銀の粘土を焼成して作るアクセサリー」を知り
    ひうちさんの「知人がハーモニカを400曲は吹ける」を知り唖然!

    「流星群を見上げながら、ハーモニカを吹く」想像をする「乙女なひみこさん」が、すずめさんの小沢昭一さん話で♪「ハーモニカブルース」迄思い出させてくれる。

    さくらさん紹介の歌手の野口五郎岳には吹き出し
    〆がすずめさんの、心配性で高所恐怖症、閉所恐怖症であったとは!

    「知識の宝庫」になる上に、やはり「面白い」。
    どこに書こうかと迷ったがこの場をお借りしました。

  • #7

    お矢来すずめ (木曜日, 08 11月 2018 20:26)

    さくらさん、こんばんは。

    立山山系並びに黒部渓谷流域の贅沢なレポートをありがとうございました。さすが北アルプス北端、盛夏にあってもまだ残雪が見られたんですね。日本列島の背骨と謳われるだけあってその長大な山群の連なり、そして太古の氷河と黒部川が営々と削りだした自然造形の美しさは類を見ない絶景の宝庫で、これはどうしても他の皆さんに是非訪れてほしい処ですね。

    ちなみに私が立山を訪れたのは16年前のことで、それも弥陀ヶ原まででした。富山で開催された経済団体の会合の観光オプションに「雪の壁体験コース」というのがあり(後の祭りになることも知らずに・・)迷いもなく参加した次第です。
    4月中旬、富山市内(観光バス)~立山駅(ケーブルカー)~美女平(立山高原バス)~弥陀ヶ原(降車)というコースで、まだ室堂までは開通してなくてゴールデンウィーク以降からの運行ということでした。

    4月とは言っても北アルプスの北端に位置して、2300㍍の弥陀ヶ原は未だ厳冬期の様相で、全景色白黒のモノトーンの世界でした。宿泊した弥陀ヶ原ホテルの背後では夕日に染まる大日岳の真っ赤な仁王さんのような迫力を体感し、立山カルデラ越しに見た薬師岳の遠望では、距離感が全く掴めない白と黒しかないパノラマに目眩を起こしそうな異次元の感覚に囚われる経験でした。
    そんな後にも拘らずホテルのディナーでは覆い尽くす外の雪に想いを寄せながら、うっかり調子に乗ってビール、ウィスキー、ブランディーと杯を重ねた結果の付けは夜明けまで梵鐘の如く頭中に鳴り響く鐘の音を聞かされる事に・・(>_<)

    そんなすずめの愚行は別として・・
    雪壁の回廊のことは「怖い~・・」の印象しか無いのですが、その高さなるや高原バスの3倍は優に超え、車窓から見上げても上限が見えないんですよ。大雪の年には20㍍にも達するそうです。
    私は例によって車外に出て呑気にあんぐり口で見上げながら雪道を歩く気持ちにはなれなくて、どうしても見上げる空がすぼまっていて今にも崩れて来そうな恐怖感に「早く行ってくれ・・!」とばかり雪の壁を睨みつけながら祈ってました。

    ただしこれは心配性で高所恐怖症、閉所恐怖症のトリプル小心者・すずめに限っての所見でありますので、是非皆さんは春先の雪回廊、盛夏の渓谷美、そして錦秋の黒部立山を堪能しに一度訪れてみては・・。

  • #6

    桜餅 (火曜日, 06 11月 2018 23:19)

    こんばんは。
    愛媛新聞常連のひうち様に写真をおほめ頂き恐縮しきりです。実は私のスマホ撮影のお粗末な写真を、すべてのたり様がトリミングして下さっているので、格段によいアングルになっております。のたり様のセンスの賜物です。

    パタリロ様の初投稿、ありがとうございます。こちらは、愛媛と広島の双方向の今や昔を楽しんでいただけるHPとなっております。また引き続きご覧くださればと思います。

    ひみこ様、同じ北アルプスの黒部村の岩がゴロゴロの黒部五郎岳と野口五郎岳とで命名を迷い、芸能界で高みを目指すとしてより標高の高い野口五郎岳を採用したと伺いました。

    ひうち様、のたり様、もしもかの方面にお越しの際には是非『関西電力 黒部ルート見学会』の申しこみの検討をお勧めします。
    例の紅白歌合戦の中島みゆきの熱唱の地下トンネルが見られます。黒部ダムを知るにはこれなしにはなのですが、私は日程が決定するのが直前になり、申し込みの期日に間に合いませんでした。残念過ぎる。 白馬岳や県警のトレーニング場は代わりのミニツアーで見たものです。
    皆様のコメントにお礼申し上げます。

  • #5

    ひうち灘 (火曜日, 06 11月 2018 20:15)

    さくらさん、みなさんこんばんは。
    「立山黒部アルペンルート 黒部の太陽の旅」拝見しました。

    素晴らしい写真の数々ですね。アングルがよくその上解像度抜群で何度も見直しました。
    清涼感あふれる写真と気持ちのこもった文に感激しつつ、いつかは行きたいところと思ってましたが意を強くしました。

  • #4

    ひねもす・のたり (火曜日, 06 11月 2018 13:33)

    パタリロさんはじめまして。
    管理人の「ひねもす・のたり」と申します。
    故郷西条の情報や、広島の情報など時間の許す折りに見ていただければ。
    コメント大歓迎です。今後とも宜しくお願いします。

  • #3

    なつめひみこ (月曜日, 05 11月 2018 23:52)

    さくらさん、こんばんは。

    歌手の野口五郎さんの命名由来になった山が
    実在しているとは驚きでした。

    写真も良く撮れていますね。
    すずめさんの白馬岳絶唱のブログと桜さんの今回のブログを
    何度も読み返し、私も旅した気分になりました。
    ありがとうございました。

    パタリロさん、ようこそ広島道前会HPへ
    「ひみこ」と申します。
    ハンドルネームは、漫画の主人公?ですか。

    初投稿頂いて大変嬉しく思いました。
    こちらこそよろしくお願いいたします。

  • #2

    パタリロ (月曜日, 05 11月 2018 22:45)

    皆さん、はじめまして。
    このようなホームページがあったのですね♪
    私は通りすがりの道前会員です。
    懐かしい西条の写真を見ることができ、皆さんの旅行等の体験も共有でき、とても素晴らしいホームページですね。
    これからも、時々拝見させてもらいます。
    これからも、よろしくお願いします。

  • #1

    ひねもす・のたり (月曜日, 05 11月 2018 17:37)

    さくらさんこんばんは。夏の旅の思い出楽しく拝見しました。

    今日ラジオで「現在 黒部立山が紅葉の最盛期」とのニュースに唖然!
    大分以前に投稿頂きながら掲載が遅くなり済みませんでした。

    投稿頂いた夏の写真を見ながら紅葉を想像していますが、どの時期に行っても
    満足度100%の旅が味わえる場所でしょうね。

    来年は十連休が確定してるので、私も何処か計画しようと思案してます。